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三々五々

日常の中で考えたこととか、自分の生活の中で体験して得たこととかを発信していきたいと思います。

正体のわからないもののほうが、本物っぽい。

突然ですが、私は作中で起こる現象に対して多くを語らない物語が好きです。

 

例えば、私はジブリの作品が好きです。

特に好きなのは、「となりのトトロ」「紅の豚」「もののけ姫」あたり。

あーとかうーとか言ってる赤ちゃんの頃から今ままで、数え切れないくらい何回も観たし、多分これからも何回でも観るんじゃないかと思います。

 

で、不思議なのが、トトロって一体何者なのかってこと。

 

見た目はとても愛らしいけれど、ウサギでもないし、タヌキでもフクロウでもない。

よくみると凶悪なツメだし、コマに乗って空を飛ぶし、オカリナも吹ける。

しまいにはネコのバスを大声で呼んで、傘をさしたままネコのバスに乗って帰っていく。無賃で。

 

何者なんだって思いません???

 

でも、こんなにへんてこな生き物なのに、彼らが一体何者なのか、作中で語られることはありません。

そしてそれは「トトロ」に限ったことではなくて、ジブリの作品の中ではこういう部分がたくさんあります。

 

ポルコは何故豚になってしまったのか。

油屋の従業員は何故みんなカエルなのか。

ソフィーの呪いは何故解けたのか。

 

どれも作中では「こういうもの」として扱われ、理由が明らかになることはありません。

 

でも、私はそういう作品が大好きです。

だって、正体のわからないモノや理由のわからないコトばかりの世界って、全て科学的に説明できる現象しか存在していない世界よりも、ずっとずっと、本物っぽいからです。

 

 世の中、ワケのわかんないものとか、イミわかんないことっていーっぱいあると思うんです。

 ニャーともワンとも鳴けるキツネだって、トトロみたいなものだし。

フラップターは明らかに飛べなさそうな形状なのに人間二人乗せて飛んでるし、クマンバチは科学的には飛べない(らしい)のに、実際は飛んでる。

 

人間だってどっから来たのかわかんない。サルから進化したと言ったって、そのサルとか、サルの前段階の生き物も、なんで生まれてくる必要があったんでしょう??

 

考えだすときりがないけれど、実際みんなそういうの、「なんかそういうモノ」って感じで受け入れちゃってる。

 

 それと同じように、作中のメイちゃんやサツキちゃんは「トトロ」って生き物を「そういうコ」って感じで受け入れてる。

ジーナはポルコが豚になった理由を「どうしてなんだろうね」って言いつつも、豚になっちゃったポルコのことは、人間だった頃と(恐らく)同じように、ふつーに受け入れている。

 

 それがすっごく、現実的だなって思いませんか。

 

存在しているモノや起こってる現象が現実ではありえないものだとしても、それに対する作中の人々の反応が、この上なく本物。

 だからこそ、作中でなんなんだ!?って現象とかが起きていても、作中の人物が当たり前のように受け入れていると「あ、こういうモノなんだ」って感じでついていけるし、そのままその世界の中へ入っていくことができる。

 

そういう作品は、もう一個の世界を疑似体験しているような不思議な気持ちにさせてくれるし、それによって今の自分がいる世界の見方が変わったりして、世界がもっと面白いものに見えてきたりする。

 

たぶん、ファンタジックなものほど、色々注釈つけたくなるんだろうけど、物語を作る人にはぜひ堂々と、「この世界じゃこれが常識!こういうもん!」って感じでどどーんと構えてほしいですね。わたしはがんばってついていきますので。

 

ではまた