苦悩のオレンジ、狂気のブルー
今日は私の大好きなホラー小説について。
美容院へ行くのに、パーマの置き時間のあいだに何か読もうと本棚をあさっていたら、持っていることすらすっかり忘れていた宮部みゆきの『贈る物語 Terror』を発見。
贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き (光文社文庫)
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/12/07
- メディア: 文庫
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これは宮部みゆきの作品というわけではなくて、宮部みゆきセレクトの、英米の短編恐怖小説アンソロジーです。あたし自身は恐怖小説に疎いのであまり詳しくないんですが、有名な作品ばかりを集めたもののようです。傑作選というか。『猿の手』なんかはタイトルを聞いたことがありました。
んで。私はこの本を未だに最後まで読めていないんですが、その理由はこの本を開くたびに、最初のほうで紹介されているある短編を読んで、満足して本を閉じてしまうからです。その短編が、初めて読んだ時から大のお気に入りで、読んでも読んでも飽きないのです。
その大のお気に入りが、こちら。
『贈る物語 Terror』の中では、『オレンジは苦悩、ブルーは狂気』の名前で紹介されているこのお話。3、40分くらいで読めてしまう短いお話なのですが、これがとんでもなく濃厚で、初めて読んだときの感動を今でも鮮やかに思い出すことができるくらい、大好きなホラー小説です。
色んな方に、予備知識なしでぜひ読んでほしい作品です。3回くらい鳥肌がたちますよ。
とある画家の作品に潜む謎。数多の批評家が研究しても明らかにされない真実。そして描かれた場所にまつわる噂、言い伝え。知りすぎた者を待っていた狂気の真実は――?
何しろ短いお話なので、これ以上説明したらそれでみなさんを満足させてしまいそうなので、できません。少し堅めの文体なので、最初の方はとっつきにくさを感じますが、途中からあまりの展開の加速度に引き込まれること間違い無し。とにかく読んでほしいなー!そこのあなた、本好きなお子さんのクリスマスプレゼントにいかがですか?
それではー