三々五々

日常の中で考えたこととか、自分の生活の中で体験して得たこととかを発信していきたいと思います。

ESTA事件

ちょっと前の話になるんだけど、今年上半期で1番冷や汗をかいた出来事について。


私は今から1年半ほど前に結婚し、新婚旅行を兼ねて結婚式をハワイで挙げた。

私はハワイへ行くのがそのとき初めてだったので、そのとき初めてESTAの申請というものを行った。

 


ESTAとはアメリカの入国審査のことで、パソコンやスマホから申請できる。

そして、一度申請すると2年間有効で、その間はまた渡米することになっても改めて申請をせずに渡米できる。


申請する内容は難しくないのだが、項目がたくさんある上に間違えて通らなかったりすると面倒なので、慎重にやるとなんだかんだで30分くらいはかかってしまう。

そして、(理由はよくわからないのだが、)正しく申請を出しても、その場ですぐ『承諾』とならない場合がある。


結婚式の際は式に呼ぶ両親と親戚たち全員のESTAの申請を見届けたのだけど、ほとんどはその場で『承諾』となるのに、何人かは『保留』になってしまい、2〜3日後に『承諾』される…という場合があった。

こんなこともあるので、旅行会社からは『間違えたりして再申請となった場合も考慮し、念には念を入れて3か月前くらいには済ませておくよう』勧められたりもした。

 


で、ここからが本題。

 


その新婚旅行で行ったハワイがあまりにも楽しすぎて、今年の6月にもまたハワイに行ってきたのだけれど、事件はその出発日にさかのぼる。


この旅行は1年前の新婚旅行から帰って間もない頃に予約をしたので半年ほどしか待ってないのだけれど、あの楽しさをもう一度味わえることを思い、私も夫も浮足立っていた。

今にもスキップしそうなその足取りで空港に足を踏み入れ、航空券の発行手続きをしようと自動発券機へ向かうと、親切なスタッフの方がその操作を代行してくれた。

夫の分の航空券を受け取り、いよいよだね〜なんて言いあいながら私の分の航空券の発行を待つが、これがなかなか出てこない。

次第ににこやかなスタッフの表情が曇る。

なにか問題が?と目をやると、スタッフが振り向いて一言『ESTAの申請が通っていないようです』。

な、なにぃ〜。

もちろんそんなはずはない。1年前にも渡米したので、そのときの申請がまだ有効なはず。

それをスタッフに説明するが、スタッフの表情は曇ったまま。

『念のため、こちらで一度確認します。場合によっては、今この場でもう一度申請していただくことになります』

そう言い残して私のパスポートを持って足早に去るスタッフ。

 


今この場で再申請?そんな。

3か月前に済ませておくよう言われるあの申請を出発前数十分の今この場でやるって??

ムリムリ。通らなかったらどうすんの?ていうか、あんなにいっぱい入力したら時間きちゃうよ。てか面倒くさいし。

とか、いろいろぐるぐる考えながらスタッフの背中を目で追いかけていて、はっとした。

旧姓。

 


新婚旅行や挙式で海外へ行く場合、特に新婦にはあるあるな問題が、「旅行の予約を旧姓で取るか、新姓で取るか」問題。

旅行の予約名とパスポートは一致していなければ渡航ができないため、特に旅行予約時と旅行出発日の間に籍を入れる場合は、

案1、あらかじめ新姓で予約をして、入籍後すぐにパスポートを新姓に変えて渡航する

案2、旧姓で予約をして、入籍後も旧姓のパスポートで渡航する

のどちらかとなる。

 


私の場合、入籍後すぐにパスポートの改姓手続きへ行く手間を惜しんでしまい、旧姓で申し込むことにしたのだ。

つまりESTAの申請も旧姓で行っている。


でも今は、私のパスポートも旅行の予約名も、新姓だ。

 


それに気づいてさーっと青ざめると同時に、先ほどのスタッフが戻ってきた。

『やっぱり申請された記録はありませんでしたので、もう一度申請していただくことになります』

ですよね!

 


その場で急いでスマホから申請を始める。

必要事項を夫に読み上げてもらいながら、できるかぎり早く、そして正確に。

手続き開始時間が迫る中、痛いほどの動悸を感じながら、やっぱり30分ほどかかって、申請が完了した。

が、結果はまさかの『保留』!!

その下に「最大72時間以内に結果がわかります」の文字。

もう、手続き開始まで15分くらいしかないのに!

 


そこからは申請が下りるのをひたすら待つしかない。

この日を楽しみに過ごした半年間の日々が走馬燈のようにめぐる。

もし時間内に申請が下りずに飛べなかったら。

お土産を頼まれた両親には何て言おう。1週間休みを取った職場には何て言おう。

1週間休んで行ってきたふりをすればいいんだろうか。お土産もなく??

ていうか、お金。すっごいもったいない……

ああ、パンケーキ、食べたかったな……

 


呆然としながら待つこと5分。だめもとで結果画面を更新すると。

『承諾』の字。おっ?

と同時に、先ほどのスタッフが走ってくる。

「こちらの画面で申請が確認できました。どうぞ」

そっちでも見ていてくれたのね。

こうして私の分の航空券を受け取り、事なきを得たのだった。

焦った、焦った。

 


ちなみに夫は、私が走馬燈のように思い出(?)を振り返っている間、飛行機を取り直して行くためのシミュレーションをしていたらしい。冷静なのね。

 

 

 

先日。休日を夫とふたりでまったりと過ごしていると、夫がふと自分のスマホの画面に目をやり一言「あ、ESTAが切れた」と呟いた。

夫は私と結婚する前に仕事仲間とハワイに行っているので、そのときに申請したESTAが切れたらしい。

 


「2年以内にまたハワイ行くことになったとき、私は有効期間中だけど、あなたはそうじゃないこと、忘れないようにしなきゃね」

と、深くうなずきあったのだった。

みなさん、ESTAには十分ご注意ください。

 

 

それでは